日本人が海藻を食べるようになった理由

日本には、古来から海藻を食べる文化があり、ワカメは神事やしきたりの対象となっていました。
東福岡米穀がある福岡県では、現在でもワカメに関する神事が残っています。
 

和布刈神社
 

ワカメを刈る神事

 
福岡県北九州市門司区にある「和布刈(めかり)神社」は、九州の最北端の神社で、関門海峡のすぐそばにあります。
『和布刈(めかり)』の『め』はワカメをさします。
和布刈神社は『ワカメを刈る』という意味の名前を持つ神社なのです。

この和布刈神社で2月初旬(旧暦の元旦)に行われるのが「和布刈神事」です。
水が最も冷たい真夜中、宮司さんたちが30分近く岩場でワカメを刈ります。
 
ワカメを刈る岩場
 

そして、刈り取ったワカメは神様に奉納します。
ワカメは万物に先んじて芽を出し、自然に繁殖することから「繁栄」「幸福」を招くとして、縁起の良いものとされているのです。
 

海藻でミネラル補給

ところで、欧米では食べられない海藻を、なぜ日本人は食べるようになったのでしょうか。

その答えは、日本人の食生活にあります。
古来から日本人の食生活には、ミネラル分が不足していました。

ヨーロッパでは、水にもミネラル分が含まれているため、その水で育てられた農作物にもカルシウムなどのミネラル分が含まれています。
一方で、日本の水にはミネラル分が含まれていないため、農作物から摂取することができません。

昔の人がこのことを知っていたとは思えませんが、経験から、海藻を食べることで不足がちなカルシウムを摂取し、体を整えていたのでしょうね。

そこで今回は、4月に旬を迎える海の恵み『ひじき』を使った炊き込みご飯を紹介します。
ひじきはカルシウム・鉄分・食物繊維が豊富に含まれています!
 

海の恵み入り『ひじきごはん』

■材料

お米 2合
だし汁 300cc(だしの素を水に溶いたものでもOK)
酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ2
ひじき 1袋
人参 1/3本
油揚げ 1/2枚
枝豆 20粒くらい

 
■作り方

①ひじきは水洗いしてざるにあげておく。人参と油揚げはせん切りにする
②お米を研いでお釜に入れ、材料と具材を全て投入する
③炊飯器のスイッチON
 

ひじきごはん
 

具材はお好きなものを入れて楽しんでくださいね♪