春の田植えから始まった米づくりは、秋にはたわわに美味しいお米を実らせて、終わりを迎えます。
収穫で大忙しだった農家さんも、12月ごろから農作業の道具などを片付けて、お正月の準備を始めます。
このことから、今年の農作業を終える12月8日のことを「事納め(ことおさめ)」と呼び、
翌年の農作業を始める2月8日を「事始め(ことはじめ)」と呼びます。
12月8日は「事始め」とも
農業を中心に考える12月8日の「事納め」と2月8日の「事始め」ですが、
「事」をお正月と捉えて、全く逆になる地方もあるようです。
その場合は、
12月8日がお正月の準備を始める「事始め」
2月8日がお正月の後片付けを終える「事納め」とするそうです。
同じ「事納め」と「事始め」という言葉ですが、順番が逆になるなんておもしろいですね。
意味が違うのに、どちらも12月8日と2月8日と日付が同じなのも興味深いところです。
この「事納め」と「事始め」をまとめて「事八日(ことようか)」(または「事の日」)と呼びます。
事八日は「お事汁」で無病息災を願う
「事八日」には、無病息災を願って根菜がたくさん入った汁物「お事汁」を食べる習慣があります。
具は地域によって異なるようですが、大根や人参、里芋、小豆、ゴボウ、こんにゃくなどの6種類の具を入れたみそ汁で、別名「六質汁(むしつじる)」と呼ばれます。
根菜は食物繊維が豊富なことに加えて、体を温めてくれるので、寒い時期にはもってこいです。
美味しい新米を添えれば、十分な朝ごはんになりますね。